ツネイシHDの前12月期 連結売上3656億円で過去最高

ツネイシホールディングス

ツネイシホールディングス(福山市沼隈町常石、神原勝成社長)は、2024年12月期の連結売上高が前期比16%増の3656億円で過去最高となり、経常利益は同88%増の458億円で増収増益だった。海運事業以外の全ての事業が伸長した。

内部取引相殺後の売上比率は、造船69、海運15、環境7、商社・エネルギー7、ライフ&リゾート1%。主力の造船事業は建造数42隻で前期比1隻減だったが、船価上昇や為替の影響で売上高は同16%増の2748億円だった。24年は43隻を受注し、今期も42隻を建造予定。東南アジアの新拠点として24年に設計事務所を開いた東ティモールでの事業は、26年までに現地工場を造り、28年に初番船の引き渡しを目指す。

海運事業は売上高592億円と前期から10%減収した。河野仁至会長は 「ドライバルクなど市況は好調に推移したが、売り上げを海運事業に含める、新造船を未使用のまま他社に転売するビジネスの隻数減少が影響した」<とコメント。23年10月に始まった紅海危機(イスラム教武装組織フーシ派による同海域での紛争)で商船への攻撃が増えたことを受け、スエズ運河ルートを迂回する船が増えたことから既存船の数の切迫を懸念し、グループの神原汽船などの運航を守るため新造船を手放しづらくなった。そのほか、環境事業はマレーシアの非金属事業が好調で同32%増の売上高285億円、24年1月にグループ3社を合併した商社・エネルギー事業は692億円(前期比非公開)、みろくの里やクルーズ船ガンツウなどのライフ&リゾート事業が同4%増の54億円だった。各事業の個別売上高は全て内部相殺前。

「広島経済レポート」2025年5月15日号掲載記事より
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